[pp.59-64]
滝口 善博,清水浩志郎,木村 一裕 (アジア航測(株),秋田大学)
要旨:
本研究では,秋田県内の大規模ダム事業を事例として,ダム事業に対する周辺住民の合意の進展について把握することを目的とした。まず,事業者による合意形成に関する取り組みの現状について把握し,次に,進捗が異なるダムの周辺住民のダムヘの関心や意識について比較分析を行い,今後の合意形成手法のあり方について考察した。その結果,計画中のダムでは,早期の事業段階から公開講座や懇談会等など,事業に関する情報公開を取り入れた新たな取り組みが行われていることが把握された。また,事業の進捗の違いによるダムヘの関心が変化していることが間接的に予測され,関心に影響を与えていると考えられる要因と見通しの変化の特性が把握された。
キーワード:
ダム事業,合意形成,情報公開