[pp.25-30]
小林 守 (筑波大学)
要旨:
都市高温化の主因である放射場の改変という観点から,壁面温度の昇温が注目されている。本研究では,熱画像解析を用いて,鉄筋コンクリート集合往宅の外壁面温度分布の実態を詳細に捉えて,暖房や日射などの影響が外壁面の昇温にどのように関与しているかについて定量的に明らかにする。測定は1996年の冬季の暗天日と曇天日に行った。その結果,日射が窓面(最大約6.5°Cでの昇温)よりも壁面温度(最大約9°Cの昇温)により効果的に作用するのに対して,暖房は壁面(最大約3°Cでの昇温)よりも窓面温度(最大約5゜Cの昇温)により効果的に作用することなどが定量的に実証された。
キーワード:
壁面温度,暖房,日射,集合往宅,熱画像,都市ヒートアイランド