[pp.85-90]
高瀬香絵*,**,***・松橋隆治*,** (* 科学技術振興機構低炭素社会戦略センター,** 東京大学大学院工学系研究科,*** (株)Governance Design Laboratory)
テーマ: 投稿
カテゴリ: 研究論文
要旨:
多くの低炭素機器は初期投資が大きいが長期でメリットが発生する。一方,限定合理的個人の場合,先のメリットは小さく,現時点の初期投資は大きく評価され,このことが低炭素機器普及を阻む要因となっているという指摘がある。本研究では,既往研究においてパラメータ推計が行われていない双曲的割引関数形を想定し,約3000人を対象にアンケート調査を行い,割引関数パラメータの推計を行った。その結果,支払より受取の場合,より双曲的かつ同時点を大きく割引くことが確認された。推計パラメータを用いて同じ経済性の太陽光発電の支払方法による評価をしたところ,Pay-As-You-Saveの枠組ではメリットが感じられたが,それ以外では純利益現在価値がマイナスとなった。
キーワード:
割引関数,双曲割引,アンケート調査, PAYS