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小林 恭一・鈴木 淳一・吉田 公一・恒見 清孝・上林山 博文・北野 大 ((東京理科大学・国土技術政策総合研究所・*横浜国立大学・産業技術総合研究所・臭素科学・環境フォーラム日本・*淑徳大学))
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カテゴリ: 資料
要旨:
難燃剤の持つ効果及び問題点を検証した。車両火災発生率は2000年以降大幅に減少し,これは明らかに自動車の内装の難燃化が効果を表したと結論できた。構造物や家具では,従来の不燃性の材料が軽量化や高断熱化により高分子材料に置換される可能性があり,被害拡大抑止の面からは可燃物のさらなる難燃化や消火設備の設置が必要である。難燃化の効果測定方法は複雑化する材料に合わせ新たな開発が必要であり,燃焼発熱量ばかりでなく発生ガスの分析など国際的に検討されている。難燃剤を用いたときと用いないときのリスクトレードオフに関して研究がおこなわれており,化学物質のリスクをはるかに上回る火災リスクの低減が認められている。今後は人や環境生物と調和した難燃剤の開発が必要である。
キーワード:
RoHS指令,ストックホルム条約,臭素系難燃剤,車両火災,構造物火災