[pp.51-56]
小松直哉*・小堀洋美*・北村 亘*・小河原孝夫** (*東京都市大学,**NPO法人生態教育センター)
テーマ: その他
カテゴリ: 投稿
要旨:
近年,生物多様性を維持する上で,アーバン・マトリックスの重要性が認識されているが,日本では全国規模の個人住宅を対象とし,多様な分類群の生物と庭の環境要因との関係性を明らかにした研究はほとんどない。本研究では,web機能を活用した全国規模で行われている市民科学プロジェクト『お庭の生きもの調査』のデータを解析し,個人住宅の庭の評価を行った。その結果,種数は庭の面積の増加と正の相関を示した。ツバメやシジュウカラを含む数種では,観察される確率と特定の庭の環境要因との間に明確な関係性が認められた。web機能を活用した市民科学から,個人住宅の庭は生物の生息空間としての役割を担っていることが明らかとなった。
キーワード:
市民科学, 生物調査, 庭, 個人住宅, web