[pp.72-80]
山下 亜紀郎 (筑波大学)
テーマ: 投稿
カテゴリ: 報告
要旨:
本研究では,長野県の松本盆地を対象に,GISと地形データ,社会統計データを用いた解析を行い,また,行政による防災施策についても調査することで,山麓地域の社会特性を明らかにし,防災面からみた課題について考察することを目的とする。GISによる解析の結果,松本盆地では山麓居住地において,相対的に人口減少と高齢化がより進展していることを確認できた。事例とした3市村では,概して防災インフラの整備は進んでいるといえるが,松本市では,山麓に位置し過疎化の進んでいる四賀地区や奈川地区などの旧村部での自主防災組織の活性化が急務といえる。安曇野市でもとくに,災害危険度が高く,過疎化の顕著な明科地区において,防災施策の充実と住民の防災意識向上が求められる。
キーワード:
山麓地域,防災,地理情報システム,松本盆地