[pp.58-67]
岩渕 勝己 (岩手県環境生活部)
テーマ: 投稿
カテゴリ: 研究論文
要旨:
大船渡湾は,岩手県南部の閉鎖性湾である。CODは近年上昇傾向で環境基準が達成されておらず,水質改善に向けた方策が求められている。そこで本研究では,湾に流入する水のCOD・BODや内部生産をもたらす窒素・リンの現状と経年変化を把握するとともに,CODに関して,汚濁負荷の発生源および流入経路ごとの汚濁負荷を検討した。その結果,陸域由来では盛川からのものが全体の約半分を占め,そのほかは水濁法規制対象事業場,小規模事業場などに由来するものが多かった。盛川から流入する汚濁負荷量の経年変化では,窒素とリンは増加傾向,COD・BODは横ばいであり,ここから湾のCOD上昇の傾向には内部生産の関与が考えられた。
キーワード:
汚濁負荷,閉鎖性湾,陸域由来,内部生産