[pp.405-410]
三角 亘平,松橋 隆治,吉田 好邦 (東京大学)
要旨:
温暖化問題の解決には,その性質上,政策的かつ国際的枠組みの合意が必要不可欠である。一方で,国内状況はというと,枠組みとしての有力な代替案に欠き,国際会議においてやや後れをとっている印象を拭えない。かような前提を踏まえた上で,本研究においては,国内コンセンサス形成の一助たる提案をすべく,ポスト京都の枠組みとして効果的かつ現実的な具体案を模索した。具体的には,AHPにより提案のあるべき方向性を模索し,クロスインパクト法により最尤シナリオを検討し,さらには効果の検証の一例として鉄鋼部門のCO2排出原単位計算を行った。結果として,汎用性の高いセクトラルアプローチを折衷的に用いる案が有力となった。
キーワード:
ポスト京都枠組み,AHP,クロスインパクト法,CO2排出原単位,セクトラルアプローチ