[pp.255-260]
反町 紘透,藤野 毅,坪松 学 (埼玉大学,日本大学)
要旨:
保水性建材を家屋の屋根材(セラミック製保水瓦)として用い,屋外・屋内における熱環境緩和効果を調べるための実験を行った。保水瓦は70%の空隙を有し,夏季において,散水した保水瓦の温度上昇抑制効果は瓦の体積含水率が10%以下になるまで維持され,通常瓦の表面温度より最高17°Cも低く,屋根裏・屋内の温度も緩和された。その効果は晴天時最低3日間続く。屋根からの顕熟輸送量は半減し,屋外への熱環境緩和に寄与することを示したが,部屋の気温や夜間の熱の流出には壁面の影響が大きいことがわかった。
キーワード:
保水性建材,熱環境緩和,顕熱輸送量