[pp.46-52]
伊藤 弘 (筑波大学)
テーマ: 投稿
カテゴリ: 研究論文
要旨:
古来より名勝として知られており,空間への一定の意味づけがなされて鑑賞されていると考えられる宮城県松島が,現在どのように捉えられているかを,利用者による空間への意味づけが読み取りやすいと考えられるブログから把握し,空間への意味づけと捉え方の関係を明らかにした。その結果,居住地を指標とした対象地への親近性の強弱によって視点場が異なり,それに伴って対象空間の捉え方が異なっていた。親近性の強い県内来訪者は視点場から対象空間を俯瞰する傾向にある一方,親近性の弱い県外来訪者は船上から対象空間を眺める傾向にあった。本研究での空間への意味づけが行われると,個別要素ではなく松島全体が鑑賞されるようになっていた。
キーワード:
名勝,意味づけ,ブログ,風景