[pp.153-158]
中口 毅博,市岡 千織 (社会調査研究所)
要旨:
本研究では,地域環境計画の目標設定において活用可能な資源利用健全度指標を構築した。水・エネルギー・物質資源について,それぞれ資源利用健全度を人間活動量に対する資源利用の割合(利用効率)と,資源消費量に占める再生可能資源や再利用資源の割合(健全化努力)で表わし,計6つの中間指標を,1970-80-90年について都道府県別に作成した。その結果,全国ベースではエネルギーの利用効率は上昇しているが,水資源は横ばい,物質資源は年々低下していることがわかった。また地域的分布をみると,多くの指標において関東甲信から東海・近畿・瀬戸内に位置する県で全国平均を下回る傾向がみられた。さらに事例的検討の結果,全国平均まで引き上げる,1970年か1980年のレベルに戻すという,指標を活用した2つの目標値設定の方法がありうることが確認された。
キーワード:
環境指標,環境計画,目標設定,資源利用,持続可能性