[pp.141-146]
郭 英平,高田邦道,岐美 宗 (日本大学)
要旨:
地球温暖化の原因に大気中の温室効果ガスとしての二酸化炭素(CO2)濃度の上昇があげられている。現在の経済成長率で進むとその濃度は2050年までの間に2倍に増加するといわれている。なかでも,運輪・交通部門のCO2排出量はCO2排出総量の19%に当たり,そのうち,自動車交通の寄与率が91%と見積もられている。そこで,本論は,自動車のトリップを抑制するという観点から,CO2排出の少ない交通体系を形成するための考え方をまとめた。それとともに,自動車による現行のハイモビリティを将来においても維持しながら,CO2排出の少ない交通体系へのシフトの可能性の枠組みを提示した。
キーワード:
地球温暖化,二酸化炭素,都市交通,交通計画,交通需要マネジメント,モーダルシフト