[pp.81-84]
増島 博,中村 陽子 (茨城大学,東北エンジニアリング(株))
要旨:
この研究は,農業用水路の親水性機能開発に関連して,水路を含む景観の評価を写真によるSD法によって行い,みる人の評価要因を分析しようとするものである。評価対象として異なった特徴を持つ水路の写真10枚を選び,SD法として20の形容語対についての7段階評価を準備し,107人のパネラーについて行った。因子分析の因子負荷量(回転後)にもとづく因子の解釈は,寄与率の順にそれぞれ「自然性」「視覚的快適性」「柔軟性」と命名された。質問項目のなかで総合的評価と考えた「行ってみたい」の評点は「視覚的快適性」の因子得点と高い相関があった。画面を構成する要素と「視覚的快適性」の評価との関係では,画面中の植生や水面の割合には最適値が存在し,無植生の水際線は評価を低くすることがわかった。
キーワード:
景観評価,親水性,農業用水路,SD法