[pp.75-80]
青木 陽ニ (国立環境研究所)
要旨:
同じ感動が得られたと認められる2つの景観体験の記述を求め,その景観の好ましさを現地の景観構造から明らかにした。このような分析を行なうために,まず2つの景観記述が一致して好ましいと判断したことを,確率現象としてとらえ,その意昧づけを,現在一般的に行なわれている実験心理学的評価の結果から考察した。その結果,統計的には十分考察に値する稀な現象であることが分かった。そして過去に体験された景観の記述を,明治時代に来訪した外国人の旅行記と歳時記に収集された俳句の中から見いだした。その中から一致する記述を求め,その感動をもたらした物的環境条件(景観)について現地の状況を調べた。
キーワード:
景観体験,景観記述,確率現象