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長友 大幸,近江 慶光,丸田 頼一,柳井 重人 (小見川町立小見川中学校,千葉大学)
要旨:
都市における巨樹の保護のあり方を検討することを目的に,住居系市街地における巨樹を取り上げ,巨樹を有する敷地における樹木の推移調査および周辺住民の意識調査を行った。その結果,本研究の巨樹は,本来,屋敷林内に存在し,その後の敷地の細分化の過程で単木の巨樹として残存したが,その際には,巨樹への接近性に基因した強い地縁との結びつきによって保護されたことが把握された。また,単木となった現在も,日常生活において巨樹に頻繁に接する住民ほど親しみをもち,巨樹に対する保護意識も高いこと等が判明した。なお,その傾向は調査木から100m以内に住む住民が,特に強いことが把握された。
キーワード:
巨樹,住民意識,住居系市街地