[pp.105-109]
阿部 直也,村山 武彦,原科 幸彦 (東京工業大学,福島大学)
要旨:
リサイクルシステムには環境負荷を増加させる要素と低減させる要素が共存しているため,リサイクルによる廃棄物の削減が環境負荷の低減につながるとは限らない。そこで本研究では,PETボトルを事例とし,製品ライフサイクルにおけるエネルギー消費量に着目してリサイクルシステムの効果を分析した。その結果,仮に100%廃ボトルを回収したとしてもクローズド・ループ・リサイクルにおけるケミカルリサイクルの効果は,未回収率時のエネルギー消費量に対して約3%削減されるのみであることが明らかとなった。また,リサイクルによる輸送エネルギーの増加可能性が定量的に確認された。
キーワード:
リサイクルシステム,製品ライフサイクル,エネルギー消費量,PETボトル