[pp.89-94]
朴 玄鎭,田島 學,丸田 頼一 (千葉大学,前筑波大学)
要旨:
本研究は,都市住民の自由時間を過ごす場所,「行動圈」に着目し,「行動圈]と幼少期の居住体験や現在の居住環境要因との関係について考察を行ったものである。研究手段としては,アンケートと空中写真により作成した緑被地・被緑被地分布図を用いた。その結果,幼少期の居住体験は,青壮年期の行動を引き起こす動機づけや行動反応に影響を及ぼしていることが把握された。また,現在の居住環境要因においては,日常的な都市生活環境から離れ,自然との体験を求める行動には,高木を中心とした樹木被覆地率や建設面積率の差異が,一方,対人間的や都市的行動には,居住年数の差異が,それぞれ規定要因として働いていることが判明した。
キーワード:
自由時間行動,居住体験,居住環境要因,行動反応