[pp.46-51]
柳井 重人.坂口 道之,丸田 顛一 (千葉大学,(株)ニュージェック)
要旨:
本研究では,出雲平野における築地松分布の現状と推移および所有者等の意識を把握することにより,今後の築地松の保護に係わる問題点や課題について検討した。その結果,近年,築地松は松枯れの被害等により減少傾向にあること,多くは西側に林帯を有し,季節風を防ぐ役割を果たしていること,所有者等は築地松を地域のシンボルとして認識し,保護意識も高いこと,陰手刈り(のうてごり)職人の確保や維持管理費の負担が問題であること等が把握された。今後は,松枯れの防除,補植による築地松の復元,陰手刈り職人の養成,維持管理に係わる費用の助成が必要であり,これらに基づいた所有者への支援体制の確立が課題となることが把握された。
キーワード:
築地松,出雲平野,田園景観,防風林