[pp.29-33]
清田 信 (大阪府立大学)
要旨:
植物の熱環境緩和効果を調べるために,芝地と隣接する林地で,夏季の連続した晴天日に熱収支および微気象を同時測定した。晴天が続くと芝地での蒸発散は減少し,その近くの気温の上昇,湿度の低下を生じた。土壌水分の減少にともなって,潜熱伝達量は少なくなり,顕熱伝達量が増すことによる。植生からの蒸発散によって気温の上昇が抑制されるように,地表面の状態は,その場所の温度が,周辺の気温に影響を与える非常に重要な要素である。
キーワード:
熱収支,芝地,蒸発散,微気象