[pp.137-140]
小林 久,千賀裕太郎,上條 雄喜 ((有)ネットワーク・テラ,東京農工大学)
要旨:
持続的農業の一方策として地域資源の高度利用に基づく環境負荷低減型農業体系の構築が考えられる。そのためには,地域内における資源フローの実態を量的に把握し,物質連鎖のシステム化を検討すること,そのシステム化の妥当性を適正な指針に従って評価することが必要である。本文では,これらの点に関して農村地域から発生する畜産廃棄物などの有機性廃棄物の農地還元を例に,コンポスト化処理に基づいた物質連鎖システムの要素・条件を明らかにし,より定量的な手法として窒素フローによる評価を試みた。その結果,農地還元体系における適正規模の量的な検討が可能となり,酪農集落における廃棄物量と資源連鎖容量の関係,対象地域の物質連鎖の水準を明らかにすることができた。
キーワード:
地域農業体系,有機性廃棄物,リサイクル,連鎖系,農地還元,窒素フロー