[pp.79-84]
木村 一裕,滝□ 善博,清水浩志郎 (秋田大字,アジア航測(株))
要旨:
本研究では,街路の知覚的イメージと注視特性の関連性から,好ましい街路のプロポーションを明確にすることを目的としている。そのため歩道幅員と街路樹の高さの比(D/H)の変化させたときの,景観から受ける知覚的イメージに関するイメージ調査ならびに注視点調査を行った。その結果,片側に樹木のある場合にはD/Hが約0.8,両側が樹木である場合にはD/Hが約0.45で最も好まれること,また景観の好ましさと,調和,親しみ,落ち着きには相関が高いことが明らかとなった。また最も好まれた景観について,D/Hがこれよりも大きな場合には,解放性,明るさ,などが向上するのに対し,小さい場合にはにぎやかさ,面白みが向上することが明らかとなった。注視点の分析からは,好まれる街路景観は,街路景観の構図に関係なく,樹木などの緑に対する注視割合が小さくなる傾向がみられた。
キーワード:
街路プロポーション,知覚的イメージ,注視特性