[pp.67-72]
後藤 由歌,丸田 頼一,柳井 重人 (千葉大学)
要旨:
高密化した市街地を突然おそった平成7年阪神・淡路大震災は,強い揺れとその後の火災により,多数の死者を出す大惨事となった。地震後の火災が大規模化したことは,建築物の過密化,オープンスペースの不足という都市の構造にも原因の一端があると考えられる。そこで本研究では,都市の構造から火災の延焼防止が図れるものと考え,神戸市の灘区,東灘区の火災地区を研究対象地域とし,各火災地区の焼け止まり線を構成している地被形態を把握することによって,延焼を停止させた要因を解明し,今後の防災都市づくりを進める際の基礎的な資料を得ることを目的とした。その結果,焼け止まり線は,調査地区計では道路が一番多く50.4%を占め,耐火建築物が23.5%,非耐火建築物が13.5%,空地が12.0%となり,緑が2.7%となった。
キーワード:
阪神・淡路大震災,焼け止まり線,防災,緑地