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望月美久仁,鹿島 茂 (東京都,中央大学)
要旨:
本研究は,交通量調整策が実施された時に,自動車利用者がどのように対応するかを表す行動モデルを作成すること,そしてそのモデルの弾性値を用いて交通量調整策の実施効果を定量的に表すことを目的としている。研究方法としては,利用者を対象とした意識調査の結果を用いて,非集計ロジットモデルを作成し,分析を行った。その結果,自動車利用者の対応行動の決定には,「交通量調整策の料金水準」と価値観を表すと考えられる自動車利用削減に対する「自発的な協力意志」の影響が大きいことが分かった。また,自動車利用の削減効果を表す直接弾性値は0.16から0.83であり,公共交通への転換効果を表す交差弾性値は0.15から0.46であることが分かった。
キーワード:
交通量調整策,自動車利用者,意識調査,非集計行動モデル,弾性値