大気

大気環境学習へのとびら

―環境学習の指導者の皆さんへ―


  空気は私たちの生存に欠かせない存在です。いかなる生命も空気がなければ生きていくことができません。空気は無限にあるように思えますが、地球の大きさ(直径約13,000km)を、直径1m30cmに縮小してみると、空気が存在する対流圏の厚さはわずか1mmにすぎず、非常に薄い膜のようなものです。この薄い空気の層に地球上の生命が依存しているのです。

 しかし、空気はとても大切なものでありながら、日頃あまり関心を払うことのない存在ではないでしょうか。

 空気は大切に扱わないとすぐ汚れてしまいます。汚れた空気は私たちの健康や日常生活、生態系などに悪い影響を与えます。近年では、私たちの身のまわりの問題から、酸性雨、オゾン層の破壊、地球の温暖化など地球規模の問題にまで広がりをみせています。
大気環境問題の見取り図へ (PDF書類 )
 
 空気の汚れの原因は、工場から出される煙や自動車の排ガスなど、ほとんどが人間活動によってもたらされたものです。ですから、空気をきれいにすることも私たちはできるはずです。

  まずは空気への関心を促しましょう。人間の様々な活動や自分の暮らしが大気環境とどのようにつながっているかを知るには、「なぜ?」という疑問をもつことが役立つはずです。学習者の「なぜ?」という疑問を引き出しましょう。疑問に思ったり、不思議を感じたりしたことについて調べ、分析し、問題解決のためにどうしたらよいのかを一緒に考えていきましょう。

 環境学習では、指導者が一方的に知識を伝え、知識をベースに行動を啓発していくやり方ではなく、学習者自身が直接的な経験やディスカッションなどを通じて気づき、学んでいくことが大切です。指導者としては、知識を教え込んでいくのではなく、学習者の行動や意見のやりとりを促したり、引き出したりしていく役割が求められます。このような学習の積み重ねが、空気を大切にする行動の基礎となります。

 また、学習の過程で新たな「なぜ?」が生まれたら、それを新しい学習課題につなげましょう。空気の環境学習をとおして、空気のことだけでなく、環境・社会・経済の相互関連性にも目を向ける視点を広げ、子どもや孫、さらにその先に続く世代のことも考える「持続可能な社会」に向けた行動を育んでいくことが大切です。一人ひとりが自分の生活をどのように変えていくことが大切なのか、そして身近な地域だけでなく、日本や世界をどんなふうに変えていったらよいのか、調べ、考え、話し合い、行動していくことを促しましょう。
大気環境学習の枠組試案へ